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昇天した俺がさらに昇天した
うかつにも俺は、ポックリ逝ってしまった。
自宅の階段から転げ落ちたのだ。落ち方が悪かったのか、意識不明のまま死んだ。
俺の声はもう届かない。
心残りは母と妹を残してしまったこと。だが、こんなこともあろうかと掛けておいた多額の生命保険が家族の生活を支えてくれるだろう。
出張中だった友人の松村が駆け込んできた。
俺の位牌に手を合わせ、語り掛ける。
「お前、どうして・・・」
「すまんな。後のことはお前に任せる。頼んだぞ」彼にも俺の声は届かない。
その時、襖の向こうから甘えた声がする。
「ねえ~ん、早く来てぇ」
松村の様子がガラリと変わる。
「おまえ、妹が欲しい?弟が欲しい?姪か?甥か?」とニヤケ顔で位牌に語り掛ける。
何を言ってるんだ?
「ねえ~、早くってばぁ~」
「じゃあ、やってくるな」
松村は立ち上がり襖を開ける。
そこには下着姿の母と妹の姿があった。
「何度も自宅に呼んでいたが、俺の知らないとこでこんなことになっていたのか!」
松村は盛大に母と妹との性行為に及ぶ。
「やめろー、やめてくれー」俺の声は届かない。
ひと段落着いたところで、母が持ち掛ける。
「ねえ、お金もいっぱい入ったし。会社辞めて私たちと暮らさない?」
それを聞いた松村は電話一本で会社を辞め、ここに居着いてしまった。
そして1週間。
食う寝る風呂以外は、彼らはほとんど合体している。
「このまんまじゃ、母も妹も壊される!」俺の声は届かない。
そこへ、玄関チャイムが鳴り、
「来たよー」
「おお、来たか。入れよ」
入ってきたのは二人の女性。なんとそれは会社の女性社員だった。何度かうちにも招待したことがある。
「会社辞めてきたけど・・・ほんとに、よかったの?私たちもここに住んでいいの?」
「いいだろ?」と松村は母と妹に。
「これだけ、いいチンコ持ってるんだから。妾のひとりや二人は当然よね」
「だってさ、そんなとこ立ってないで、服脱いでこっち来いよ」
女子社員ふたりもプレイに加わる。
「あいつ、賑やかなのが好きだったから。この家を賑やかさで一杯にしようぜ」
さらに続ける。
「そんな俺たちの幸せな生活ぶりを見せることが、あいつの供養になると思うんだ」
その通りだ。俺はこの場で、すでに何度でも昇天している。